どうモメンです。
本日はインボイス対応について、【某】経費精算システムのインボイス対応のやり方について、非常に興味深かったので、当たり障りない範囲で、紹介します。
某精算システムにおけるインボイス対応の2つの考え方
ざっくり説明しますと
①誰でもできるが、とても面倒くさい方法(素人向け)
②IT強い人向けの、簡単だが社内で引き継ぎ不可能な魔改造設定
という二通りのやり方が、某経費精算システムでは紹介されていました。
まず①のオーソドックスな方法としては、内訳項目マスター設定で、インボイスの取引、もしくはインボイスではない取引を含めて全てのパターンをあらかじめ登録して、経費を申請する人が取引の都度、その項目リストから、該当する取引を選択するという方法です。
おそらくは、こういう面倒な対応をやらないといけないのだろうと、私も思っていたのですが、実はもう一つの全く違うやり方があると分かりました。
それが②の魔改造変更設定です。
魔改造設定は、具体的にはこんな感じです
(会計システム側に「消費税コード」があることが前提)
①経費の内訳項目マスタはインボイス制度以前のままの設定(インボイス用の項目は新たに作らない)
②経費申請の時に、領収証などで「インボイス番号がない」場合に☑チェックを入れられる「チェックボックスボタン」を配置する
③経費精算システムから会計システムに連携するCSVデータの出力方法で次の考え方の計算式を埋め込む
→申請画面で「インボイス番号なし」チェックが入った場合、税コード〇〇〇の経費は、税コード〇〇〇に強制的に変換してCSV出力する
④申請ルールで、インボイス番号欄が空欄かつチェックボックスに☑が入っていない申請はできないようにルールを作る
こんな方法で完璧なインボイス対応できると知った時、私は思わず雷が走るような衝撃を覚えました。
「・・・スゲーーー!!! これなら1時間あれば設定できる・・・!天才か!」
結果、「魔改造設定」でインボイス対応することにしました。
社内的にはこう説明します。
「インボイス対応大変だったんですが、システムの中でかなり複雑な計算式を組んで、きっちりインボイス対応できるようにしました」
「領収証を貰ったら、インボイス番号がある場合はそのまま申請、ない場合は、インボイスなし、にチェックを入れて申請してくださいね」
「これ以上ありえないシンプルな設計にしてやったんだからちゃんとやれよ」
「というかインボイスじゃない領収書は基本もらってくるなよお前ら」
と、ここまできっちり作り込めば堂々と言えるようになるわけです。
でも、決して親切で万能なやり方ではない
インボイス制度でさえ社内で誰も理解していないのに、某経費精算システムのCSV出力設定をこんなレベルで「魔改造」して果たして大丈夫なのか心配になります。
こんな複雑怪奇な設定をやってしまったら、私がこの会社からいなくなる時に、引き継ぎできる自信がありません。
そんなことを考えていると、ふと「経理のインボイス対応実務」というのは、ふたを開けてみると「実務で成立しえないレベルの煩雑さの域に達しているのではないか」と、改めて思うようになりました。
かなりITに強い方の私でさえそう感じるぐらいなのですから、世の中のほとんどの経理の人にとってはなおさらそうだと思います。