どうモメンです。
久々の経理ネタです。
経理のエクセル仕事では、「業績資料を会議報告用の様式に作る」という報告業務はそこそこのボリュームがあることが多いのではないのでしょうか。
私も経理の仕事をして何年か、そういう仕事が経理なのだと思っていました。
今も、その考えそのものは大きくは変わりません。ただ、作業としてそういうことに費やしている時間はずいぶん短くなりました。
それは主にエクセル技術の向上によるところが多いのですが。
ただ、報告資料を減らすのには、多少のコツがいります。
報告資料を作るだけが経理の本質ではない?
資料は何のために作るかということですが、私の場合は「上司のために作る」ということがまず第一の理由にありました。
上司が幹部会議などで業績を報告するための資料を提供しなければならないので、上司がリクエストする項目、表示様式をすべてカバーしなければならず、また新たな項目が日々増えては減ってを繰り返すので、前月からのコピペだけでは間に合わなくなっていくのです。そして全体として、資料の数がどんどん増えていく一方なのです。
私はエクセルが得意なので、そのような上司の細かい要求にこたえて資料を作っていくことについては、面倒くささで断ったことはありません。
それでも作る側の立場で、「あぁこれは作っても、意味がない資料になるな」というのがわかるものがあります。提供する情報が、目的適合性を有しているかどうか、ということが。本当に有用性を備えた情報になっているかどうか、ということが、気になるようになってしまいました。
あまり意味のない報告資料を、来る日も来る日も作り続ける、それに対して疑問を持たずにいることが、できない性分だったからかもしれませんが、決してそれだけじゃない、「意味のある情報を提供したい」という思いも、あったと思います。
資料を作るのをやめてみてもいい(あるものをできるだけ利用する)
結局は、こうなると思います。
経理資料はなんだかんだ会計ソフトでレポート出力できる機能はありますし、それらが利用できなかったとしても、エクセルなどに張り付ければ自動的に完成するというようなフォーマットを作りこんでおくということはできると思います。
ただエクセルで作った場合、後から情報を細かくしようとしたりしてフォーマットを次々変えていくと、崩れていってしまうので、最初からもっとも細かい単位で資料を作り、必要に応じて、「表示・非表示」で対応するというのが賢明かと思います。
それから、「勘定科目のもっと細かいデータがエクセルで見たい」というリクエストがきた場合、もうエクセルで「表計算」としての資料を作成するのはやめて、会計ソフトから出力したデータを、パワークエリで編集させて、ピボット集計ができるリスト形式のデータに自動変換させると、楽ができます。
ピボット集計したものを、手を加えずにそのまま配布するというやり方を、「資料が見づらい」といわれようとも、あえて貫くのです。「ピボット集計ページの利用マニュアル」を同時に配布すれば誰も文句は言わないでしょう。
ここで、新たな「表」資料を作りに行ったら、負けです。いかに表を作らないかがすべてです。
ついでに上司の業務もじわじわ奪う
こういうアプローチを続けていくと、上司の仕事もじわじわと、奪っていくことになります。
やがて、何もやる仕事がなくなった上司は、気づけば・・・
報告資料作成だけじゃない経理の存在意義
AI時代が来ても、いろいろと調べてみると、経理はどうやら生き残る仕事らしいのです。
別の記事で書きましたが、AIが経理の仕事を肩代わりに財務諸表を作成できたとして、その「財務諸表」と「経営者」の間に、情報を取り次ぐ者が全くいないというのは、無理があると言われています。どれだけ社長が、経理の知識を有していたとしても。AIで業務レベルの経理の仕事がなくなったとしても、経理という仕事がなくなることはないようなのです。
そう考えると、大事なのは経理資料作成業務ではなくて、いかに意味のある情報を集めて報告できるかとうことを、考えることが重要ということになると思います。黙って漫然と資料作成業務に追われながら時間をつぶすのもいいですが、報告する意味を考えながら、試行錯誤することも、大事にしていきたいと思います。