会社経営において意思決定にスピードが求められる昨今では、経理の方も月々の決算をいかに早く確定させるか上からの圧力により苦心されている方が多いのではないでしょうか。
ところで月初や年度初めは、経理にとっては非常に忙しく、「決算はいつ頃確定する?」 と上から耳にタコができるほどよく聞かれるのですが、私はつい「貸借対照表の残高が確定した時に損益確定しますよ」 と言いたくなります。
上の方々は「決算=損益計算書」という風に思っている方も多いみたいですが、経理では全く逆ですね。 貸借対照表における資産から負債を差し引いた純資産を、期首と期末で比較してその差額が利益なのだという考え方です。 資産負債アプローチです。 ですので貸借対照表残高が確定しないことには 損益は確定しないはずです。損益確定を先走って出しても、貸借対照表科目のチェックを後回しにしてしまうと、そこで間違いがあった時に損益自体がコロコロ変わってしまう可能性がありますので経理にとっては、あくまで資産負債アプローチで実務の作業も進めていかないとリスクが高いと思います。
ところで近年の日本の中規模の会社で、普段の月は決算までにかかる日数はどれぐらいなのでしょうか。短くても長くてもだいたい1週間から10日以内だと思います。私が働いている会社では以前は8営業日以内だったのですがどんどん早くなってきて現在は5日以内まで短縮化を求められました。
経理決算早期化については日本全国の会社日本全国の会社でもあまりのんびりしていられる会社が少なくなってきているのではないでしょうか。
最初は単にスピード上げろと言われても何をどうやれば早くなるのか全然わからず非常に苦労した記憶があります
すごく少人数または 一人で経理をやっているような会社でも 、請求書の発行業務売上台帳の売上集計というのは経理担当者以外になるケースが多いのではないかと思いますが、そのような感じで他の部署で集計してもらったデータを集めてくることがメインの経理の仕事をしていると、 早くデータをもらえるように催促してもなかなかすぐには集まらないです。 他の部門の方は月末月初だからといってそうした経理向けの仕事ばかりしているわけではないので、他の仕事をしている合間に締めの業務をやっていると、他の仕事が忙しい時などは後回しにされたりしてなかなか欲しいデータがすぐに集まりません。
私ももっぱらデータを催促する側ですが、欲しいデータが一斉に揃うことはまず期待できません。経理側の非常に影響力の強い上司がいれば各部門に働きかけてデータをすぐもらえるように設定することも簡単なのかもしれませんが会社によってはそうもいかないと思いますので非常に苦労されている方が多いのではないかと思います。
今のところ5営業日目ならなんとか決算は出せそうなのですが、これがさらに短くなってきて4日目とか3日目で出せと言われたら、経理の仕事はほとんど「催促すること」になってしまうでしょう。集まったデータを確認して処理する作業そのものは、エクセルスキルなどを高めれば、処理のスピードはどんどん短くできますが、それはあくまで必要なデータが全てすぐに揃っているならという前提の上での話なので。
同じく経理をしている私の友人も、月初は忙しくて退社できるのが9時10時になることもあると言っていましたが、話を聞いていると17時を過ぎないと、伝票やら資料がろくに集まらないということが多いとのことでした。
その友人の話を聞いてると、それだけ困っててもなかなか文句が言える環境ではないというのがとても気の毒でした。あまりにも酷いようなら、上司と相談して、各関係者へ改善を訴えることも、一つの手かなとは思いますが、それもできなければ、経理として働くにはちょっと辛い環境と言えます。