どうモメンです。
本日は、電帳法が施行されてからの仕事風景についての愚痴を書きたいと思います。
読むのも疲れた「請求書の電子化のお知らせ」
ある時、とある会社から、「請求書の電子化のお知らせ」が郵便で送られて来ました。
「案内を送るからここにメールアドレスを送れ」と言われて、メールで送ったら、同じ会社から「電子化登録のお願い」のメールが、15通も届きました。
15個ものアカウント違いの請求書を、全て登録しろというのです。たった1つの会社で15アカウントですよ?!
「無茶だ、勘弁してくれ」とあわてて電話してクレームを言ったところ、「うちのシステムでは、発注担当者ごとに請求アカウントと紐づくようになっているので全てやってもらわないといけない」と言われてしまいました。
「経理は一人しかいない、15アカウントも登録なんて到底やってられない」と伝えたら、「でもそういうシステムだからどうしようもない」と突っぱねられました。
やらなきゃよかった、やってられるか、と思いましたが、「まずその15個を設定だけしてくれたら、これからは請求をそのどれか一つに絞ります」と後で言われて、しぶしぶその通りにしましたが、そもそも電子化システムを導入する前にやるべきだったと、愚痴の一つでも言いたくはなりますね。おそらくは他の会社からも同様のクレーム電話が沢山かかってきたことでしょう。
まぁそんな感じで、気の遠くなる作業をこなしていって、今では全体の請求書の30%近く、電子データで受け取るようになりました。
自分の会社で発行する請求書も電子化を導入したらどうか、と担当者に聞いてみたところ、「別に要らない」と言われました・・・。私が担当なら、やってもいいのになとは思ったのですが・・・。
受け取る側の、月末の専用ページ巡回ダウンロード作業も、まぁはっきり言って、すごく面倒くさいですね・・・RPAで電子化したいと思いますがそいつに設定を覚えさせるのがまた面倒くさそうです。
「楽楽明細」の場合は「楽楽電子保存」に集めることができるのですが、登録して、それができるようになるまでの設定作業も、やはり面倒くさかったです。
最近、他の会社のDX推進のために、利用者が面倒なことをさせられることが格段に増えた
これは、経理や仕事に限らず世の中全体で、その傾向があります。
分かりやすい例が、「セルフレジ」です。
なぜ、利用者が、顧客が、店員に変わって、「労働」しないといけないのでしょうか?
その分の浮いたコストは、果たして、公平に利害関係者に分配されているのでしょうか?それを本当に、確かめた人はいるでしょうか?
まさか、その分の利益が、経営者の役員報酬や賞与などに、変わっているなどということはないでしょうね?・・・経営者の役員報酬や賞与のために、まさか、顧客がタダ働きさせられてるなんてことは、ありえないですよね?
いえ、実はあり得るんです。
私は、昨今のDXは、「顧客・ユーザー・取引先に労働させて、その分、自分たちが楽をすることを、『価値の変革』と呼ぶシステム」だと確信しております。
その結果として、私たちは、スーパーで、飲食店で、仕事で、ますます「他の企業のため」に労働させられる傾向が強くなっていると思います。
「効率化」という名目で、いかに自分の仕事を他人に押し付けるか
取引先から、これだけ「タダ働き」を押し付けられた分、経理としてはただ甘んじて受けるわけではなく、反撃しなければなりません。
次にやるステップとしては、経理は自分の仕事を、「社内の全ての人間」に、「これからどんどん業務効率化、DXを目指します」という名目で、とにかく押し付けまくることです。
SaaSなど、最新のクラウド業務システムを大規模に取り入れるというのがそれです。
従来であれば従業員個人が直接接する機会がなかった人事労務や経理などの基幹システムも、最近では従業員が個人用画面から直接アクセスして画面上から申請などをすることを求めるものが増えてきました。
協力的ではない社員は、こんな風にいいます。「こんなもの、どうせ管理部門の人間が楽になるために、今までやってたことを、現場に押し付けるだけのシステムなんだろう」
その通りですが、それが不公平ということにはなりません。
なぜなら、管理部門の人間もまた、取引先から、世の中から、それ以上にシステム化を押し付けられているからです。十分、被害者です。ズタボロになりました。
だからせめてこれ以上ズタボロにならないよう、自分が押し付ける側になるのです。それでトントンなのです。
さらにいえば、今は世の中みんな、そうです。
面倒なセルフレジ、あんまり面倒なら我慢してやらなくても、いいんじゃない?
セミセルフのレジはまだいいと思いますが、セルフで本当に面倒くさい思いをさせられたスーパーは、二度と利用しないことをおすすめします。
なぜならその店は、「経営者が役員報酬を増やすために顧客にタダ働きさせてる」可能性が限りなく高いからです。
そんな会社は倒産してもらった方が、きっと世の中のためです。
経理としてこれだけは言えます。
客にそこまでしんどい思いとタダ働きを強要して業務効率化を達成する会社に、未来はありません。
おじいちゃんおばあちゃんじゃなくて、「こんなもの、いくらなんでも、やってられるか!」と若い世代の人たちがブチ切れはじめた時、案外世の中がまた大きく次のレベルに動き始めるものなんじゃないかと、思います。