今回の騒動で相撲協会の組織のしくみについて非常に勉強になります。
私の会社は従業員300人に満たない中規模事業会社ですが、
やはり力士1000人を抱える組織である相撲協会の今回の問題の対応を見ていると
自分の会社の未熟さも見えてくるというものです。
会社では事実上は取締役会が最高機関ですが、その取締役会は四半期に1度定例で行われます。大企業なら月に1回はあるでしょう。
その四半期役員会では、決算を承認したり取締役選任・解任や、その他重要な議案などが決議されます。
いずれも事前の幹部会議で、そのプロセスについては十分話し合われていることが前提ですが
たとえば事前の話合いになかったようなことを突然、役員会で議題にあげてそれが賛成多数で可決されたとしても
それは有効となるらしいのですよ。
それを防ぐ手段として、おそらく定款や取締役規定などで、会議には議案を出して通知する必要がある的な文言が書かれているかとは思います。
大相撲協会の理事会でも同様でしょう。理事会規定などの内規が存在し、そこで議題や議案を出したものについては、理事会で回議されるというプロセスがあるはずです。
貴乃花が理事会に提出した独自文書はその後理事会の記録に一切残らない形で回収されてますが、まぁ記録に残らないことで、ギリギリルールは守ってるというところを、協調したかったのかなとも受け取れます。
私の会社では事前の議論が出来ていない案件について、それらができないまま役員会で先に承認されてしまったものについて、ある部門の最高責任者が、他の最高責任者に対して「この件はこちらの部では現時点までに不確認の情報に基づいています」などというように強調するのですが、どのような経緯があったにせよ、承認されて決定したものが簡単にくつがえったら、役員会という最高機関のガバナンスがゆらぐでしょう。
理事会でのクーデターを興すのはおそらく手法としては不可能ではありません。しかし、過半数の理事の賛成を取り付ける必要があります。充分に根回しをし高い確信を持った時点でやるべきです。