どうモメンです。
最近経理でインボイス対応を進めてきて、取引先の「請求書電子化の対応」をひたすらやり続けて疲れてきたところで、ふとDXって結局こういうことなんじゃないかと、気付いてしまったことについて書きたいと思います。
利用者に労働させる・・・分かりやすい例が「セルフレジ」
資本主義においては、いかに従業員から労働力を搾取するか(より詳しくいうと労働者の人生の時間を奪うか)が経営者の「実績」でした。
いかにして、というところがポイントで、多くの経営者が行き着く答えは、「自ら開祖となり、宗教で洗脳して信者を獲得する」になります。
より多く従業員を洗脳し、より少ない給料でより多くの付加価値を生み出させた企業こそが、勝者になれるゲームを作り上げたわけです。
経理なんて、かつては伝票整理だけやっていればよかったのです。
それが今はどうでしょう。新システムを導入し全従業員が利用できるように環境構築しインボイスに対応するために全社の業務システムの設定を書き換えるコーディング作業まで、経理がやっているんですよ!
それも、やらされ感を出さず、本当にやりたくて自発的にやっているような感じさえ見せかけながら!経理なんて本来、伝票整理だけやっていればいい仕事なはず。そうではないなら、その2倍3倍の給料を貰わなければ、おかしいはずです。
ですが、業務効率化イノベーションがほぼ限界に到達したら、次はどこに「搾取」が向かうのかと考えると、おのずと答えは出てしまいます。
絞り取れるものが無くなった次に搾取のターゲットになるのは誰かというと、それはズバリ、「利用者や顧客」です。
(ここでビックモーターを連想した方は鋭い)
企業から見て、利用者や顧客はまだ搾取しうる労働余力を持っているのです。(ゴルフボールぶん回して愛車に傷を付けたり・・・笑)
身近で分かりやすい例が、「セルフレジ」です。
そして経理であれば「請求書の電子化のお願い」です。
セルフレジに対して、何の疑問も持たずにいることは、経理の人間としては難しいのです。
「なぜ利用者がこんなに働かないといけないの?」
それに対する答えがこうなのです。
「そうしないと企業が儲けられなくなったから」
人間自身がそういう社会を作り上げてしまった、ということなのかなと思うようになりました。
私は当初はセルフレジは「時代の流れだから仕方がない」と思っていたのですが、「実は無給で働いているのと同じでは? サービス残業的なものと何も変わらないのでは?」
とだんだん疑問を感じるようになってきて、最近ではほぼ確信に変わってきました。
資本主義の成長余力が無くなってきた説 わりと信じてる
人類が到達できるテクノロジーとイノベーションの限界(天井)がそろそろ近づいているんじゃないかと、そんな気がします。
iphoneが登場し、スマホが瞬く間に普及していった10年前の、新しいデバイスを持つワクワク感、あれを超える驚きの体験・・・ChatGPTは確かに衝撃的でしたが、それを上回るテクノロジーが出てきたとして、それが何か人類にとって本当に画期的なものになるというより「嘘くさくまとわりつくもの」になるんじゃないかという気がしています。
魔法と見分けがつかないほどのテクノロジーが登場したとして、それで実現できる世界というのが、誰にもあまりよく理解できないような何かなのです。嘘八百の世界では、「また新しいテクノロジーが出てきて、その恩恵に預かって、全体が豊かになる、価値の変革が生まれる」という嘘が、ある程度は説得力があって、まかりとおります。
これが10年後の未来だ! でも、これがDX?
・支払を現金にすると10円多く税金かかる(キャッシュ税)
・ファミレスで客が食器を洗って帰る
・コンビニで棚から欠品してたら客がバックヤードから品出しする(店に入る時にマイナンバーカードをかざして盗難防止)
・駅のトイレが有料化
・4つ星のホテルでも部屋は掃除なし。掃除希望で予約したら+5000円。なお、「お掃除用具セット」はデフォルトで全室完備。
・郵便が届くのに5日かかる。全体の10%~20%ぐらいは紛失。
・請求書電子化を取引先に強制。承諾をもらったら謝礼金1万円を相手企業に払い、もう1万円を手続き代行会社に払う。
・カード会社のコールセンターに電話でお問い合わせしたら1回1000円強制引き落とし
・銀行で窓口に行くと内容に関わらず強制的に500円口座から徴収
・新聞の購読者が減り、新聞社は倒産。ネットニュースしかなくなる。誰誰がXで炎上したとかそんな記事ばかり。
企業はますます生き残りをかけて、「利用者に労働させる度合い」をますます高めてくるでしょう。この先10年も。
そこに社会の成長や発展が本当にあるのかどうかは未知数です。
戻ってもいいんじゃない?「伝票整理だけやっていればよかった時代」に
もしくは、1日の労働時間を半分にするか、週4休にしても、いいんじゃないかと思います。
給料が上がらなくても、コンビニで品出しさせられても、人間らしく生きられて、幸福ならそれでいいとしましょう。
拝金主義や資本主義に代わる新しい価値観がもう少し、強くなってくることも必要なんじゃないかと思います。
共産主義社会主義とまでいかなくても、
休みを増やして、仕事中に、遊んでてもいい
ぐらいのゆるさを取り戻しても、誰も不幸にはならないはずです。