どうモメンです。
最近、セバスチャンマラビーの「ヘッジファンド」という本を読みました。
この本は私の愛読書でもう5回ぐらい読んでいます。
図書館で最初に見かけて、アマゾンで中古を買って読んでいます。上下2巻で、読破するのはなかなか根気が要りますが、あらかた金融の知識があってゾーンに入った状態で読むとmore money than godという原題通り、ある種、神懸り的な気分になれる神秘体験ができます。
一番お気に入り章はジョージソロスとイングランド銀行のポンドを巡る通貨危機戦争について描かれているところなのですが、何度もこの話を聞くと今日本で起きている円安と政府介入が、少しダブるところがあります。
そもそも政府介入は現実的なのか
通貨市場は9割が投機筋で本当に貿易や決済等で行われている為替取引は全体の1割に過ぎないという話です。
ポンド通貨危機の時は、あらかじめイングランド銀行が用意できるポンド購入資金を、ソロス側は予測しており、それを上回る空売りポジションを用意した上で、またソロスのヘッジファンドに乗っかる形で他のヘッジファンドもこぞって空売りをしかけることで、どう転んでも絶対に勝てる勝負に持ち込んでポンドの通貨切り下げをさせたというのがその顛末でした。この危機の時、イギリス政府は血税から捻出した10億ドル超のポンドを、ソロス(ドラッケンミラー)のクォンタムから直接買わされましたとさ・・・
当時のイギリスは住宅事情などの不況が厳しく利上げによってポンド安に対抗することができないという事情があったことも要因だったとされておりますが、今の日本でいうなら黒田総裁が金融緩和政策を死ぬまで曲げられず利上げができない事情により日米金利差が解消する見込みがゼロであることから、ヘッジファンドにとっては円売りはリスクのない絶好の非対称的機会となってしまっております。
問題は、ここでの政府介入の円買いは、意味があるのかということですね。9割投機の市場で何をやっても原理的には無意味とはなるのですが、本当にタイミングを見極めた上でトレンド反転させることは不可能ではないと見ております。
今にも雪崩が起きそうなポイントを見つけたら、よくタイミングを見極めた上でそこに斧を投げ込んで、自ら雪崩を起こすのです。
私としては・・・本当にこればかりは何とも言えないのですが、まぁ黒田総裁が記者会見でバタっと倒れるとかの演技をしたりするのも、ありなんじゃないかなとか思います。こういうハッタリにはお金はかかりませんよ。コスパはとても良いはずです。
とにかく今必要なことは、人々の予想を裏切るような何かでしょう。良い意味でのサプライズな天変地異が欲しいところです。
ただ、私一人がそんなものを望んだとこころで、空から金が降ってくるわけでも、地面から天然ガスが湧いてくるはずもありませんが・・・
でも何等かの良い意味でバタフライエフェクトが起こせる何かが、見落としているだけで身近なところにあるんじゃないか、とつい思いたくなりますね。
終わってみれば、こういう為替や株の世界は、予測不可能でもどこかでは、人間に理解できそうなシナリオで収斂していくようになっているものです。ソロスの再帰性理論で説明できるんじゃないかと思うのです。
よく株の格言で「上昇局面でも下降局面でも、とんでもない予想株価を言い出す人が現れ出すと、終わりが近い」というものがありますよね。それも要するに再帰性理論なのだろうと思うのです。
円安で株が上がるシナリオはある
円安で生活は苦しくなるものの、普通に考えれば、円安で下がるはずのない会社の株を持っていれば、株が上がる可能性があります。
これは十分に筋の取った話です。
イギリスの通貨危機でポンド切り下げになった時も、「これまではイギリスは金利を上げられなかったが、これからは金利を上げたり下げたりするだろう」という見方がされるようになると、今度は利率が変わらない固定金利である長期国債の価値が上昇し、資金がそちらに流れていくようになると同時に、株式の方にも資金が流れてきて株が上昇トレンドに転じた、という流れはあったようです。景気もそこまで深刻に悪くはならなかったようですから。
日本でも同じことは起こりうるのではないかと思います。要するに黒田総裁が記者会見中に倒れる、あるいは階段でコケるかして、ん?となった時、日本の今後の日銀政策についてあれこれ憶測が飛ぶようになると・・・それをきっかけとして、何かトレンド反転が起きる可能性もなくはないということです。
ただそれらシナリオに現実味を帯びさせるためには、いくらか景気の良い話が日本国内で持ち上がっていないといけません。ありうる筋書きとしては、インバウンド需要などで、外国人客だけではなく、日本人の人たちも、何か恩恵に預かれることがあればいいのかな、と思います。
歴史は必ず繰り返す
市場の不確実性に対して、コンドラチェフの波、ハロッドの景気循環論、エリオット波動や太陽の黒点など、マーケットの変動予測には怪しげで面白いネタがたくさんあります。
そのいずれも示唆するところは、世界恐慌や株価暴落、通貨安などは、起きる時は起きて、収まるべき時には収まって、それら歴史は繰り返されるということです。決して一方向だけに進むことはありません。
一部は、スペイン風邪と、新型コロナウィルスの流行と同じようなサイクルではないかと私は楽観的に見ております。
悲観論を言って溜飲が下がるならそれもいいが安心することが一番大事
やっぱり将来お先真っ暗な話ばかりしていると人間、本当に気持ちが萎えてしまうもんです。
ニュースを付けると暗い話ばかりですが、一方で、サイゼリアのミラノ風ドリアはずっと300円ですし、ダイソーにいけば、100円でクオリティの高い便利グッズがいつでも買えます。業務スーパーやイオンで、大容量の冷凍お肉など買えば、食費もさほど負担にはならないでしょう。
医療費だって常に3割負担で国民皆保険制度や高額医療費制度もあります。
こんな豊かな国は、他にありません。安心して日本で生きていきましょう。
優待クロスでクオカードを沢山ゲットして生活費を節約する方法もインフレには有効です。当ブログ記事で沢山紹介しておりますのでご参照ください。