どうモメンです。
経理のブログなので、経理にまつわる実務の中でまだ、情報が比較的少ないと思われる「でんさいネット」についてこのブログでは積極的に紹介していきたいと思います。本当の生の声です。
でんさいネットは、2013年2月にスタートした比較的新しい決済手段であり、今では多くの会社で約束手形からの移行がどんどん進んでいます。
よく、でんさいネットの「メリット」については、印紙がいらない、紛失盗難リスクがない、などが言われてます。
今回はそれより一歩踏み込んだ経理実務上のメリットについて説明したいと思います。
経理として、でんさいネットでとても便利だと思うのは、「CSV」の形で記録データがダウンロードできることです。
ダウンロードデータは、「支払先口座、金額、発生年月日、期日」の情報が全て乗っています。
正確には、取引銀行側がネットバンクサービスの中で、でんさいネットの管理機能としてそうしたデータダウンロードの生成機能を提供してくれている、ということだと思います。
ちなみに、書類でデータを出力した時は、「全銀電子債権ネットワーク株式会社」の文字が右上に印字されたものが出力できました。
ですが、データとして価値があるのはやはりCSVの「生データ」です。経理なら、つい「証憑だから書類じゃなきゃ!」と思ってしまいますが、でんさいネットは記録番号そのものが、全てのでんさいデータが、全ての金融機関の中で「固有」のデータになりますので、ただの数字の羅列だけの記録番号も、「データで保有」することには大きな意味があります。
まぁ、ここそこらへんがでんさいネットがビットコインと似てる部分がありますね。
でんさいネットもブロックチェーン化させるという話があるそうです。
つまり、こういうことです。「生のデータをCSVでダウンロードできる」からこそ、そのダウンロードしたCSVをちょっとだけ加工すれば、会計ソフトに、データの流し込みができるということです!
会計上では、でんさいネットは、手形に準じた扱いをして大丈夫というルールがあるので(電子債権という勘定科目を新設して手形と区別して処理することも可能です)、でんさいネットに関する仕訳の処理としては、「振出(発生)」や「決済」の処理を、何等かの方法で会計ソフトに入力する必要があります。
でんさいネットのデータは、CSVで構成されているので、ダウンロードしたデータを、会計ソフトの取り込み用フォーマットに移植できるようにやや加工することで、「手入力」一切なしで、「振出(発生)」や「決済」の仕訳を起票させることができます。
経理にとっては手入力作業がなくなることは、「画期的」であり「脅威」ではありますよね。ミスがなくなって、気持ちいいほどきっちり金額が合います。業務時間が大幅に削減できます。
ただ、このような「会計ソフトへのデータの流し込み」はやや上級者でないとできないかもしれません。
私は個人的にデータ処理については得意な方なので、このやり方を自分で開発して(?)やっているわけですが、このような画期的な方法をどんどん取り入れることで、仕事中にコーヒーを飲みながら画面を眺めてほっこりくつろげる時間が増えたことに、非常に満足しています。(その空いた時間で他のことをやれというツッコミは無しでお願いします)
このようにして経理の仕事はだんだんラクになっていかなければならない時代なのです。しかし、決してそれを周りに悟られてはいけません!
これが紙の手形であれば、紙というのはアナログなので、紙に書いてある「手形番号」などの情報は、どの段階かでは必ず人間が目視で読み取って、手形帳であったり、会計ソフトの登録画面に必ず「入力」する必要がありますよね。スキャナやカメラ、OCRを駆使して自動入力という方法もなくはないですが、最後は人間の目で確認するはずです。
しかしでんさいネットのデータは「データ=でんさいネットそのもの」なので、このような手入力作業は極限まで省略できるんです。
銀行の管理画面にログインすれば過去のでんさいデータや現在のデータが常に参照できるため、台帳に記録を付けたり、記録を作成する必要はありません。銀行の画面から発行できる「記録一覧」を月末にプリントアウトして、ファイリングしておけばそれだけで大丈夫です。
会計士の方が監査に来られた時も、これで対応しました。ただ、内部統制が厳しい大企業の場合では、この紙では不十分で、全銀電子債権ネットワークが直接発行する「残高証明書」を求められる可能性があります。