親会社の子会社監査を受けた時に、固定資産の管理について指摘があり、固定資産管理らしい管理をやっていないことを指摘されて初めて知りました。
「そんなものは、経理がやることではない」と思っていたぐらいに私は無知でした。そして会社の中で誰もそのことを知っている人はおりませんでした。
今考えると長い歴史がある大きな工場のある製造業の会社で、かつては固定資産管理なども徹底して行われてきた時代もあったのでしょうが、長年の管理部門の惰性と、内部統制の形骸化によってはそうした重要な決算手続きの項目も、古代文明が滅ぶのと同じようにあっさり忘れ去られてしまうものなのだと思います。監査を受けた時につくづく勉強になりました。
社長や幹部が二つ返事で、「全てやります、すぐやります」と監査の人間に答えておりましたが、「ということだから後はよろしく」となるのは当然の流れでした。私は内心真っ青になりながらも、にっこりとうなづき笑顔を絶やしませんでした。
それからインターネットで必死に調べまくりました。最初は何もかもが手探りでしたが、なんとなくイメージがわいてきました。固定資産そのものはソフト上にデータベースがあるのだから、そのデータを1件ずつシール台紙に打ち出して資産に貼っていけばいいんだうなぁと。こういう作業はまず先に具体的な作業のイメージを固めることが大事ですね。
そこからはとてもスムーズにいきました。固定資産管理ソフトにシール打ち出し機能があったからです。上司に相談し、キングジムのテプラの流し込み印刷ができるシール印刷機をすぐさま買いました。それで1日中ひたすら固定資産の管理番号シールを印刷しつづけ、24mm幅のテープ(1つ8m)を丸4個使い切ったのは覚えてます。シックハウスになりそうなほど強烈なインクの匂いが周りに充満し、さながらシックハウステロ状態でした。
あとは、その500枚の固定資産管理シールと、固定資産をリストにした表を、工場の人と一緒に貼っていくという作業になりました。この作業は楽しかった!経理にとっては工場でものが生産されていく様子を間近に見ることができる機会は限られているので、「これは何に使うのですか?」と聞きながら手取足取り教えてもらえるのですが、周りにいる作業員の方たちに「あの人、何してるんだ?」とものすごい不思議そうに見られます。
しかし・・・楽しかったのは1回目だけ。経理も人手不足なので・・・今は実査用チェックリストを作って、誰かにチェック記入してもらう形で運用しております。もう少し余裕ができたら、1件ずつデジカメで写真を撮って、番号と紐づけできる状態で保存するという風なこともやりたいですね。ただ一人でやるわけにはいかないので、うまく分担して、極力しんどい思いをせずにコツコツ完成させていくというのが理想なのですが・・・