売掛金の回収手段として現金や振込手形の他にでんさいネットやファクタリングなどがありますファクタリングについてはでんさいネットが普及する以前から決済手段を手形や期日指定振込で行っていた会社がサイトが、必要に迫られてというよりも、決済手段を対外的にグレードアップさせるために導入したケースが多い気がします。
ファクタリングというのは企業が資金調達する手段の一つで売掛金をまるまるファクタリング会社に譲渡することで資金回収の期間を短くしてキャッシュフローを向上させる手段としても使われますが売掛先の会社にとっても 割引ができるなどのメリットがあります。
私の会社でも手形の振出を廃止して代わりにファクタリングにしようかという案がかつて出ていましたが会社規模から考えると手数料などが 割高であることと手形に比べて審査手続きなどが非常にめんどくさそうだったので導入は見送られてました。
実際に得意先でもファクタリングを利用している会社はありますが 受け取る側から見たら期日指定振込と比べてファクタリングのメリットは、 割引の申し込みができることと毎月 fax で支払予定の明細が自動的に送られてくるぐらいしか思いつきませんでした。
ファクタリングのマイナスポイント・・・書類が多い。
期日指定振込でも振り込み予定表など事前にもらうことは多いですがファクタリングの場合は債権が発生した時にも FAX が来て、実際に支払いが行われた際にもまたFAXが来てしまうので(だいたい2枚綴り)、その紙がどんどん溜まって言って、 ファクタリング企業が数社あるだけで、 半年ぐらいでファクタリング関係のFAX用紙を綴ったファイルがパンパンになってしまうほどでした。 正直中身を確認したらすぐシュレッターにかけてもいいのですが 自社の債権残高を確認できる証拠書類にもなりますのできちんと経理としては保存しておかなければならないのが面倒くさいですね。
そして半年に一回は、売掛金の残高確認書にあたるファクタリング残高証明書が、ファクタリング会社を通じて送られてくるのですがこの残高証明書発行手数料が売上代金から差し引かれて振り込まれていることを最近知りました。通常かかる振込手数料が2倍の額で売上代金から引かれて振り込まれている月があったのでおかしいなと思っていたのですがそういう事情があると知って、毎月 FAXが送られてくるのだから残高証明書が本当に必要なのかは疑問だったのですが、、ファクタリングの契約を各取引先と結ぶ時に、残高証明書を発行するオプションを付けてしまっているようなので、それはしょうがないですね。
そして、ファクタリング利用の得意先に対して、売掛金の残高を確認する残高確認書を送った際、こちらが把握してる売掛金は通常、ファクタリング部分とそれ以外の売掛金分を区別せず合計で書くのですが、ファクタリング利用企業は、どこも「〇〇円は、ファクタリング債務です」と、どこも差異を明確にした状態で返事を返してきます。私は個人的に「弊社売掛金〇〇円と、ファクタリング債務の〇〇円を合計した〇〇円で、御社売掛金との差異はございません」というような返事でも別にアリじゃないかと思うのですけどね。差異を強調されるのって何となくイヤなんですよね経理としては。
このような細かいデメリットがあるのですが何と言っても債権者側としてファクタリングの一番の面倒くさいポイントというのは 契約時に必要な書類の多さだと思います。 全部事項証明のことである登記簿や印鑑証明なども必要であり、直近三ヶ月以内に発行したものでなければいけませんから、そのために法務局まで出向いて書類を取りに行かないといけません。発行には証紙代もかかりますが、それ以上に法務局まで出向く労力がすごかったりしますから。
また書類についても少しでも記入不備などがあると差し戻しになってしまったりして手続きにすごく時間がかかりますので、ファクタリングを導入した企業側も、しつこく電話して催促したりと導入する際の事務手続きはとても大変な様子がうかがえます。
ファクタリングのキャッシュフロー改善や資金繰りのメリットは別にして、手形や期日指定振込を廃止して体裁をよくするためにファクタリングを導入するというのは、事務手続きの面から見るとあまりメリットがないように感じました。
大きい会社であれば割高な手数料を払ってでもファクタリング導入には意味があるかもしれませんが中規模から小規模の会社ではでんさいネットの方が向いていると思いますよ。