こんにちは。今回は経理にとっては親しみのある手形について、お話したいと思います。
経理というと手形とか小切手とかを切って集金の対応をするイメージがありますが、私の会社では以前は支払時は約束手形を振り出していましたが、今は「でんさいネット」が本当に大活躍していますのでご紹介したいと思います。
でんさいネットは、ネットバンキングで、振込先口座とでんさい番号と、発生記録年月日や期日を入力してポチっとやれば、振り込み感覚で手形と同じものが相手に届けられるめちゃくちゃ便利な決済手段です。手形を発行する時に必要な印紙も押印も郵送も不要で、メリットしかありません。私は手形振出恐怖症で藤浪よろしく仕事でイップスを発病して痛い目に遭ったことがありますので、本当にでんさいに切り替えて正解だったと思います。
でんさいネットは、銀行からパンフレットで紹介された時から「これは絶対すぐ普及するだろう」と思い、上司と相談して、制度が始まって間もない初期の頃に、会社で導入が決まりました。中小企業は、ものによっては、こういうことがさっさと決まって自分のやりたいようにすぐ動けるのが良いところですね。大手だったら経験できなかったことかもしれません。
でんさいネットを導入する時は、全ての仕入れ先に「手形からでんさい切り替えに応じてくれませんか」と文書を一斉に郵送してお願いしてみたところ、でんさいネットが始まってまだ間もない初期の時点でも、なんと200社近い取引先のうち70%ぐらいの会社があっさり「やってもいい」と応じてくれました。でんさい番号をまだ持っていなかった会社もわざわざ番号を取得してくれて、口座情報が書かれたFAXが毎日のように送られてきましたので、それらをファイリングしていくのが楽しみでした。残りの会社についても、しばらく手形で支払っていたのですが、手形を郵送する際に「でんさいネットもよろしく」という紙を同封して送ると効果抜群で、手形ゼロにはできませんでしたが結果的にほとんどの会社がでんさいに応じてくれました。
取引先といっても相手は全て「仕入先」になるわけですので、「買い手」である側はやはり仕入先に対して立場が有利でいかに影響力が強いということを同時に実感しました。相手の会社規模によってはこちらの支払条件が不当に悪ければ下請法にひっかかってしまう場合があるので、気を付けなければいけないと改めて思いました。
でんさいの良いところは、社内向けに「業務改善できた」とアピールしやすいことですね。なんとなく、「あぁ今時はそういうのが出来るんだな、そりゃ便利だろうな」って直観的にも分かりやすいです。
でんさいネット導入は私が新人として経理の仕事をするようになって少し慣れてきた時期に携わった仕事でしたが、意外なほど何もかもスムーズに事が運んで、また世の中の普及も早かったので、やはり仕組みとして優れていたんだろうなと思います。
迷っている方はぜひとも導入を強くおすすめします。