中小企業で経理をしているわたくしモメンですが、そこまで年輪濃く刻まれていない仕事経験の中でも、リアルに大手の監査法人から監査を受ける機会に幸運にも3度ほど恵まれました。
その中で感じた大手監査法人の会計士のスキルについて、監査された側から感じた部分を紹介したいと思います。
体力
これ、以前から知っていました。会計士は体力馬鹿じゃないとできない仕事であると。勝間和代もまず勉強するためには体を鍛えろと言っていましたから。監査に来た会計士も、朝9時から19時までぶっ続けで作業をして、その後ホテルに戻ってまた別の会社の仕事をするんだと聞いて、こっちが卒倒しそうになりましたね。
初めて会計士の働きっぷりを目の当たりにした私は、みるみる顔色が悪くなっていったようで、帰り際に、「あと2日もあるんで、まだ倒れないでくださいね」と笑顔で声を掛けられたのは忘れられません。
会計士は、経理をいじめることには、慣れているんですよ!彼らは基本的にドSですよ。
英語力
英語力はIFERS関係で必須ですね。会計士が「ここの仕訳は修正必要です」と仕訳をホワイトボードで説明するのですが、勘定科目を英語で書くんですよ。純資産をOCIとか書いてたのを覚えてます。今の会計士は勘定科目を英語で書くんですね。お医者さんのカルテみたいな感じみたいです。これからの時代は経理も英語ができなければいけませんね。
ITスキル
会計士は人によってはプログラミングできるそうです。監査をする時も、会社から複雑な計算のエクセルデータを提出されたら、その内容があってるかどうか検証したりしなければいけないため、今時ITスキルは必須ということのようです。これらは経理であっても同じだと思います。私もITスキルを磨くことは重要視しています。
会計士に求められるスキルは経理でも同じ
財務報告をする親会社が突如として外資系企業になってしまった時、毎月エクセルで提出していた報告フォーマットは、全て英語の複雑なシステムサイトにアクセスして入力するという方式に変わり、BSPLCF注記事項の一部にいたるまで全て英語表記となりました。さらには、それらに操作マニュアルが一切ないという無茶ぶりをされました。
それでも学生時代に勉強していたBATICや及第点の英語力でなんとか心理的抵抗を抑えてこのような困難を新人のうちにも乗り越えることができました。ITスキルに関しても、バックボーンがあったので、新たな技をどんどん身に着けて、その能力では会社のバックオフィス面で誰よりも信頼されるようになりました。
ただ一つだけ、大きな問題が・・・
それは会計士が年収1000万クラスの士業といわれる高度専門職なのに対して、私のような中小企業経理担当者の年収は下手するとウン分の1、報酬体系も能力主義でさえないということです。
そもそも金勘定に強い経理の人間であればなおさらこの不均衡さに敏感になることでしょう。人間は「無力感」を立派に学習してしまう生き物です。無駄なことにエネルギーを使う必要はありません。
こういう立派なスキルも趣味や自分の好きな世界で発揮できることもあると思います。これからの時代はそちら側に期待するのがいいと思います。