どうモメンです。
なぜ、日本人は勉強しなくなるのか?
という記事を最近見かけて少し思うところがありました。
勉強や学問そのものが社会ではNG?
私の働いている中小企業の会社ではそのような、勉強や学問をとにかくを嫌う空気がありました。
私自身は勉強するのは嫌いではないのですが、勉強するのが好きと公言しても何のメリットもないということは、入社日当日に肌感覚で察しました。
中でも、ある仕事に関連する事柄について、書籍を購入させてほしいと上司に相談した時の会話をよく覚えています。
上司は、本を買うことに対するネガティブ意見を、かつては自分たちも本を押し付けられたり、かの有名な経営学の本を管理職で回し読みせられたが、まるで何の意味もなかった、というような話をさんざんした挙句、「買ってもいいともいけないとも、俺は言わない」と全く訳の分からないことを宣うのです。
「分かりました、買って良いのかどうか分からなので、買いません」で終わりました。
てっきり、あぁ俺もそれ勉強したいからぜひ1冊買っといて、とでも言ってくれるのかと思っていたのですが、甘かったです。
ただ、ここで強烈に疑問に思ったことは、上司は、私が何の本を買おうとしたのかについて、全く興味を示さなかったことです。なぜその本なのか?それを読んでこれから何をやりたいか?といった会話さえもなかったんです。
要するに、部下が勉強することが単に気に食わなかっただけなのではないか、という疑問が、ふと湧いてきました。
従業員が勉強するのが気に食わない経営者
ふとこの疑問を、友人に話したところ、
「部下が勉強するところを見ると、経営者や上司のプライドが傷つくんじゃないか」と友人が言っていました。
あぁやっぱりそういうことなのか、と思いました。
そして、この傾向は上司のみならず、経営者も同じように考えているのではないか、という疑念がわき、それはいつしか確信へと変わるようになりました。
要するに経営者は、従業員が賢くなることを、基本的には良く思わないものなのです。
社員が賢くなったら、見限られるかもしれないという強迫観念にも似たような何かが病理のごとく組織を覆い尽くしている可能性もなくはないと思います。それにより従業員は常に無知なフリをしていないといけなくなるのです。
かつて、どこかの国で、似たような話を聞いたような・・・
文化大革命、ポルポト政権の弾圧・・・そして日本の中小企業の経営者・・・
人間の本質というものは、変わるわけではありません。令和になっても、まだまだ、残党がたくさんいます。それが日本の現実です。
従業員や部下は、永遠に無知であってほしいのです。きっと、そうでなければ、困るのです。支配者は、いえ、経営者というものは。
私は管理部門にいて、就業規則などについて色々勉強したので、そのような会社の違いがどこから来るのかについて、面白い話を知る機会がありました。
なんでも、会社の就業規則は、「現日本国憲法」寄りに作られているか「旧帝国憲法」寄りに作られているか、真っ二つに分かれるというのです。
前者の就業規則は「従業員の権利を、会社(という暴走する組織)から守るため」に作られており、後者は「従業員(という時おり暴走する危険因子)から会社を守るため」に作られているということが、読めば一発で分かるようになっているというのです。
これらを踏まえて、自社の就業規則を読んでみたところ、実に見事に、旧帝国憲法寄りの内容になっていることが、分かりました(笑)
また取引先の大手企業の就業ハンドブックをたまたま入手して読んだのですが、大手ホワイト企業の就業規則は、驚くことにきちんと現憲法よりの内容になっていたのです。
ちなみに私の会社は、創業年数がそこそこ長いので、リアルに戦前に作られた社訓を踏襲してここまで生き残ってしまった可能性も、なくはないと、考えております。
こんな違いがあるなんて、別に知らなくて良かった、おそらく知らない方が幸せだったとさえ思うのは簡単です。それでも私は知ることをやめようとは思いませんでした。こういうことを発見し、とても面白いなと思ってしまったのです。
それが何の役にたつかどうかなんて、別にどうでもいいのです。ただ知りたい、その好奇心だけが全てです。それを無くしたら私は人間でなくなってしまうだろうと思っています。
ちなみに部下が勉強することを嫌う上司の裏には、管理職や管理部門の人間は常に無知で時代遅れで、批判の的になる人たちでいて欲しいと願う、経営者の本音の願いを、感じとってしまいます。
ただ力無いから弾圧されていいのか
良くないと思います。この反知性主義が蔓延しすぎている会社の現状を見て、黙っていることが世の中にとっても、ひいては日本の将来にとっても、良くない気がします。
弾圧されながらも、日々学んだことを、これ面白かったよ、昨日こんなニュースやってたよ、とほんの少しでも話題にするだけでも、世の中良くなると信じてます。
例の上司に対しては、極力関わるまいと諦めてます。ああいう人間には、そもそも近づかない方がいいのです。
そして、レシートにインボイス番号あるかいちいちチェックするのが面倒くさいとか経理に不満をいう人間に、みんなもっと真剣に税制度や政治、自分が納税者だということに関心をもつべきだ、それから経理に文句を言うべきだというぐらいは許されるでしょう。
これから入る若い社員が、たとえ面倒でもきっちり精算手続きをやってくれたら、政治家に対しても不正会計とかふざけんなよ国民バカするなよ、とちゃんと言えるようになるのです。
そうやってほんの少しでも世の中良くなっていくなら、経理を頑張ることも無駄ではないと思います。