NHKの経理を舞台にしたドラマ「これは経費で落ちません」に着想を得て、
新しいドラマのタイトルを思いつきました。
ズバリ、「これは経理の仕事じゃありません」なんていかがでしょう?
第一話、「請求書を発行するのは経理?」
請求書は営業部が発行している会社も多いですよね。私モメンの会社もそうです。
しかし、残念なことに、その事実さえ知っている幹部があまりいないのです。先日ふと部署の上司と話をしていて、上司が請求書の発行の仕事は経理がやっていると思い込んでいるらしいと気付いてしまい、驚きました。
請求書発行を誰がやっているかなんて、経営幹部は気にも留めていないとなると、それも問題です。そのような業務について本来どの部署の誰がどんな風にやるべきか、社内で正しく理解できている人は必要だと思うのです。
となると、請求書を発行するのは経理の仕事じゃないと言うことはできないでしょう。経理はこの業務のことはよく分かっている立場なので。
とはいえ請求書発行まで経理(一人経理)がやってる会社はかなり大変だと思います。たかが請求書でも様々な得意先から、先にFAXでくれだのメールでくれだの、送付先の担当者名を記入しろだの、色々と細かい仕様を要求されますからね。
第二話、「小口現金制度やめて、経理で都度精算にしよう」
恐ろしい提案です・・・
ある日突然、会社方針でこのような決定が下ったら時、経理としてあなたはどうリアクションするでしょう。
ここで「はぁ、分かりました」と言える人はいるでしょうか。小口現金制度がどんな意味があるのか、どう運用されるのが理想であるのか、経理として率直に見解を述べることは大事だと思います。しかし感情的になってはいけません。
まぁ、これも実体験ですから。工場・現場から「小口現金やめたい」という要望が出て、部長が「そういうわけなんだが、どうだろう?」と話を持ち掛けてくるという流れならまだよかったんですが、ある日突然、「今月から小口現金制度は無しになったから」と言われてしまったので、その時はあまりの理不尽さに怒り爆発寸前でした・・・。
今では、当時の部長も人が変わり経理の立場も強くなったのでこういうことは二度と起きないとは思いますが、分かりませんねぇ。
第三話、「会社宛ての全ての請求書は経理で処理」
「ん?それぞれの担当の人がチェックしないの?単価が見積と合ってるかとかも全部経理が?」
これは製造業の経理ですと余計にこのような疑問を感じるのかもしれません。
以前、とある食品会社で経理をやっている方にこんな話を聞きました。
「もちろん全部ひとり。月500通近い請求書をひたすら開封して計上して、粗利ベースでは利益が出てると思ったら、後から来る恐ろしい数の運送会社の請求書を計上していって結局赤になってて、その原因を分析する時間もない。運送会社の請求書も間違いが多いんだけど、探していられない」
小売や流通、サービス業は、500人規模の会社でも経理がたった一人しかいないというパターンもあるようなので・・・ここまでくるとチェックができないとかそういう次元ではないですね。経理をもう一人雇えるだけの体力が会社にないんだと思います。
ただ製造業の場合、そうでもないんですよ。部署・拠点ごとに、金銭を扱う責任者はいるので。製造業の経理は、コーディネーター的な部分があるのです。