どうモメンです。
最近、ジョン・ルコムニク、ジェームズ・P・ホーリーの「良い投資とβアクティビスム」MPT現代ポートフォリオ理論を超えてという本を読みました。
コロナ禍ですっかり読書熱に火がついて、こんな難しい本でもカフェで2時間ぐらいでさくっと読めちゃいます。
・・・というのは嘘です。相当ちゃんとしたアカデミックな金融知識があって、さらにある程度会計や財務の基礎知識があって1時間に20ページ読めるかどうかというぐらい難しいです。
しかしセバスチャン・マラビーの「ヘッジ・ファンド」という本を5回ぐらい読んでるのでさすがに効率的市場仮説とαについては、よく分かっており、さらにニコラス・タレブの「ブラック・スワン」、ブロワ・マンデルブロのことも知識ではインプットしておりますので、βアクティビスムの本をパラパラと見た瞬間、「お、この本は面白そうだ」と思うぐらいには、ピンとくる何かがありました。
また、投資や金融の本ばかりではなく、コロナ禍では経済学や資本主義に関する本も相当沢山読んだので(ほとんどナナメ読み、読み飛ばしながらですが)何となく今の世の中はソーシャルキャピタルという価値観が根付いていってるんじゃないかという肌感覚は持っていました。
かつて「さわかみファンド」の澤上篤人のセミナーを聞いたことがあり本も読んだことがあるのですが、澤上氏のいう「本当の長期投資家になる」という考えとβアクティビスムは近い考え方のような気がします。
それから「東証プライム」というのができて、これから日本のマーケットがどこを目指していこうとしてるかも、うっすら分かってきました。
詳しい説明は割愛しますが、「良い行いをする会社に投資をすることで、最大リターンが得られて、市場全体がそれにひっぱられてどんどん世の中良くなっていく」というような考え方を理論化したのがβアクティビズムの考え方で、これを実現するには法律に限らず、それに向けた新しい枠組みを市場の中でどんどん取り入れていくべきというのがその主張であると理解しております。まぁESGも東証プライムの創設もそういう流れの中で生まれた新たな枠組みと言えるかと思います。
例えば、ひろゆきが「SDGsはまともにやったら国が滅ぶ」的なことを主張する勢力に対して、「違うよ、むしろこれをやれば全員が豊かになるという仮説があるんだよ」とβアクティビスムを引き合いに出して説得できれば論破も可能でしょう。
問題はβアクティビスムで論破するには、相手があらかじめ効率的市場仮説や、現代ポートフォリオ理論や割引現在価値を理解していないといけないという厄介な前提条件がありますが・・・
(私は大学でちょろっと学びましたが、ほとんどは社会人になってから趣味で投資の本を読む中で学びました)
ESG投資は、うさんくさいとずっと思っていたのですが、やっぱり世の中の変化のスピードはコロナを契機としてより加速していると思いますし、「時代が追いつく」までそう時間はかからない気がしております。
これからは真面目に検討してもいいかもしれないなと思いました。