どうモメンです。
中小企業で経理をしております。
本日は話題の、電子帳簿保存法について解説します。
一番手っ取り早い対策は、システムを入れることです。
システムを使ってみた感想はこちらの記事より詳しく紹介しております
基本は何らかの対応システムを入れる前提で対応を進めるべきだと思いますが、システムを入れずに当面は、とりあえずの対応で凌ぐことをお考えの方は、本記事が参考になればと思います。
中小企業において、デジタルはなお及ばざるがごとし
結論からいうと事務規定を作って、「日付、会社名、金額」をファイル名にして「共有サーバー」内の保存で全く問題なし
検索性の確保って、要するにエクスプローラの検索バーにキーワード打ち込んでファイルがヒットするように保存してれば問題ないってことです。
誰もが絶対守らねばならない、絶対遵守のファイル命名ルールを作ることです。全員がアクセスできる共有フォルダの一番上に、電子取引専用ファイル保存専用フォルダを鎮座させましょう。
フォルダ名の頭に♯★○●◁◾️などの記号をつけるだけで、あら不思議、ファイル名で並べ替えたら00や01より確実に上に表示されます笑
★電子保存
フォルダを作りましょう
なお、この手の★飾りをやるとナンバリングにうるさいシステム担当者がブチ切れる場合がありますので、よくよく注意しましょう。私は誰かが★より上に来る♯などの記号を使ったらブチ切れます。
まぁ、電子保存フォルダを作っても、それがどこにあるか分からないと、誰も保存してはくれません。それでは意味がないですからね。一番上にあっても全然おかしくないと、経理としては思います。
訂正削除防止の事務規定は作らないといけませんが、国税庁のひな形をそのまま使えます。
中には規定をすっとばして、いきなり運用だけやってる会社もあるんじゃないでしょうか。内部統制が形骸化した中小企業あるあるですが、訂正削除禁止の事務規定は必要なので、必ず作りましょう。
ちなみにエクセルで台帳管理もしなくていいと思います。基本的に日付&会社名&金額をファイル名にしていれば、それだけでかなりの情報量があります。
たとえば、「会計伝票番号なんかを、ファイル名に入れたほうがいいのでは」という意見もあるかもしれませんが、「日付」「会社名」や「金額」という情報そのものが、ある程度、そこから会計伝票を探す上で重要なインデックス情報になるため、間接的に情報はきっちり紐づいていると証明できるとも考えられます。そのため、日付、会社名、金額をファイル名にするだけで、十分だと思います。
でも、決してこれらの対応は根本的には業務効率化になるものではありません。基本的には、システムの中で完結できるように、会計システムや各種ワークフローのデータ連携ができるような方法で、対応していくべきです。
ただ要件を守って保存するだけの対応では、電帳法の効率化の恩恵は受けられません。これは重ねて強調しておきます。
年寄幹部連中への説明が大変すぎた
経営者や幹部に説明しましたが、最初の感触としては、絶望的なまでに、理解してもらえませんでした。
まず「電子取引」の概念から理解できなかった模様です・・・さすがに、これは想定外でした。
思うに「電子取引」というネーミングが良くなかったのだろうと思います。「電子商取引(EC)」とよく似た響きで、「どうせウチのような会社には関係ないだろう」という印象を持たれてしまったのです。
管理職という人たちの中にはいまだにスマホの使い方も分からない、使い方を学ぼうとしないようなタイプの人もいます。今の消費税が何%か、軽減税率の対象が何かさえ、知らないようなタイプの人たちが幹部にも一定数はいるということです。こういう人たちは、私の感覚からすれば時折とても「傲慢」に見える時があります。
何ともいえない無力感やショックを最初は受けましたが、同時に、これ以上しんどい思いをして経理をやりたくないなとはっきり思いました。やるからには「楽」になる方法のみを徹底的に目指すことが大事です。完璧を目指すのではなく楽になればそれでいいのです。
その後に、現場担当者にも説明を行いましたが、そちらでは比較的すんなりと、理解してもらえました。
ちなみに「楽楽精算」のCMで、電帳法のあらましをわずか15秒間で説明しているのは凄いと思いました・・・経理が社内で説明する代わりに、あのCMを見せたら、15秒で理解してもらえたのかもしれません・・・
以下は、ウチの会社の話ではないのですがネットとかを読んでいて思った、電池帳簿保存法に関する頭の痛い「勘違いネタ」を紹介します。
「2年間猶予になったよね」
違います。
要約するとこうです「義務化はする。できない場合は税務署に理由書いて届け出を出せ。でも、そういうがちゃんとできなくても、2年間はペナルティないよう配慮する」
こういう措置のことを、正しくは「宥恕(ゆうじょ)措置」と表現します。
これを読んで「じゃあ2年間、何もしなくていいんだ」と読み替えるのはさすがに無理があります。
多くのまともな経理がいる会社は2022年1月義務化の時点でとっくに対応済みです。
あの忘れもしない、12月に入っていきなり2年延期のニュースが飛び込んできた時は、これから本格的に対応しようってのに、なぜこの後に及んで延期するんだ!と怒り心頭でした。
2024年完全義務化となっていますが、直前で再び宥恕措置が直前に出る可能性はありますが、それで再び対応を先送りしてもさほど意味はないでしょう。何せ、世の中のほとんどのまともな企業はすでに対応をとっくに終えているので。
「これタイムスタンプ必須だよね」
違います。
それは紙の書類をスキャナで取り込んで保存する時だけです。
電子取引データを保存する場合は、要件が緩く、専用システムやタイムスタンプがなくても、「削除防止の規定」さえ作れば、あとはただデータで保存すればいいだけなのです。
「紙に印刷すればいいだけじゃない?」
それは根本的に違います。
いずれの場合でもデータで受け取ったものはデータで保管することが義務です。
「別に紙で印刷してたってバレないよね」
そういう問題ではないということだと思います。
もし必要な書類が適切に保管されていなければ、税金面でペナルティがあるのです。
そこまで説明しても、「よく分からないんだけど」と偉い人に言われてしまった
あ・・・本当に、何度説明しても電子取引が何か分からない人がいた
というのは冗談ですが、本当にこちらの説明が足りないのか、相手のそもそも理解する気のなさが問題だったのか・・・おそらく後者でしょう。
世の中に請求書というものがあって、それらを集計して、経理が決算をやっているということを、もしかしてご存知ない人も社内にはいるかもしれませんし。
まさかまさか、信じたくない現実ですが、、、
その後、その幹部に改めて、個別に説明を申し出たら、まずそもそもから理解していない幹部はこう言い放ったのでした。
必要あるの? だって俺には別に関係ないでしょ
さすがにこの時、もうやってられるか、という気分になり、しばらく仕事のことを考えるのをやめました。
どこまで説明しても、無理な時は無理なんだな、と思いました。自分の部署の偉い人に、そう伝えました。さすがに、その偉い人も呆れ返って、「あんなの相手にしなくて良いよ」と言われましたとさ・・・
「こんなの誰もやらんでしょ」
・・・・
つべこべ言わず
言われたとおりに
やれ
この
※ゲ!
ボ※!
※ブ!
電帳法、インボイス制度・・・経理は大変になっていく
次に恐ろしいのはインボイス制度ですね。
ちょこちょこ事前予告をしながら、「この ※ゲ ボ※ ※ブ」爆弾を炸裂させていくことになるのでしょうか
経理職としては、爆弾を抱えて仕事をするのは、よくないことです。本質さえ理解していれば、自分の中にだけ正しさを持っていれば、もうそれだけで充分です。他人のことなど、気にしてはいけません。
つまり、他人が電帳法やインボイスを理解できなくて不都合が起きたとして、苦しむ必要は全くないということです。すべては、理解に努めなかった側の責任であり、経理のせいではないということです。
最初から臨戦体制で挑みましょう。